「うちの子、やる気が続かない」
「言わないと勉強しない。」
「毎日声をかけるのに、こちらが疲れてしまいました。」
面談のたびに、こうしたお悩みをよくお聞きします。
ですが、子どもたちを見てきた中で感じるのは、多くの場合、問題は「やる気」ではないということです。
毎日続く仕組みが、まだできていないだけなのです。
続く子は、意志が強いのではなく「仕組み」を持っている
勉強が続く子には、共通点があります。
それは、勉強を「やる気がある日にするもの」だと思っていないことです。
歯磨きのように、当たり前に机へ向かう流れができています。
才能ではなく、仕組みの差なのです。
教室で見えてくる、成績が伸びる子の共通点
「今日はやる気が出ない」がほとんどない
ある小学6年生の男の子は、毎回同じ時間に教室へ来て、同じ流れで学習を始めます。
決まった時間、決まった場所、決まった順番。
本人に「やる気が出ない日はないの?」と聞いたことがありますが、「別に、いつも同じことをやるだけだから」という返事でした。
気分で勉強する子は、長続きしにくい
反対に、「今日はやる気があるから2時間」「今日は疲れたからゼロ」という子もいます。
ある中学1年生の女の子は、テスト前だけ猛勉強し、それ以外の期間はほとんど机に向かいませんでした。
結果、毎回テスト直前だけ苦しい思いをする、というサイクルから抜け出せずにいました。
やる気に頼る勉強は、良くも悪くも波が大きくなります。
なぜルーティンがあると強いのか
学校から帰る、おやつを食べる、宿題をする、計算5分、英単語5分。
この流れが決まっている子は、迷いません。
人は「何をしようかな」と考えるだけでも、実はエネルギーを使っています。
毎回考えてから始める子と、考えずに始められる子とでは、続けやすさがまったく違います。
考えなくても始められる仕組みをつくることが、習慣化の一番のコツです。
家庭でできる3つの工夫
①時間ではなく「きっかけ」を決める
「夕食前」「お風呂の前」など、すでにある生活の流れに組み込みます。
「〇時から」という時刻指定より、迷いなく始めやすくなります。
②量は、終わりが見える形で決める
「30分頑張る」ではなく、「プリント1枚」「漢字10個」のように、終わりが目に見える量にします。
時間で区切ると、子どもは「まだ終わらない」と感じやすくなります。
③勉強しやすい環境を、保護者がひと工夫つくる
テレビを消す、スマホを少し離れた場所に置く、教材をすぐ出せるようにしておく。
子どもは、私たちが思っている以上に環境の影響を受けます。
環境づくりは、保護者にしかできない大切な役目です。
低学年ほど、実はチャンスです
学習習慣は、低学年ほど作りやすいものです。
まだ勉強量が少ないため、10〜15分でも十分に効果があります。
「学校から帰ったら机に向かう」という流れをこの時期に作れれば、高学年、中学生になっても大きな財産になります。
逆に、中学生になってから急に毎日2時間の習慣を作るのは、簡単なことではありません。
20年間、現場に立ってきて感じること
勉強が得意な子と苦手な子の差は、能力よりも「毎日机に向かった回数」の差であることを、何度も実感してきました。
どんなに理解が早い子でも、毎日少しずつ積み重ねる子にはなかなか勝てません。
だからこそ家庭学習で一番大切なのは、難しい問題に挑戦することではなく、「今日も机に向かった」という日を一日ずつ増やしていくことなのです。
まとめ
毎日続く子は、才能ではなく仕組みを持っています。
勉強は、やる気よりルーティンです。
家庭では「勉強しなさい」より、「勉強しやすい環境」を作ることを意識してみてください。
学習習慣は、低学年ほど身につけやすいものです。
