「もう夏休み後半なのに、何から手をつければいいか分からない」
受験生の保護者から、この時期に一番多くいただくご相談です。
問題集は開いている。
でも、それが本当に今必要な勉強なのか、確信が持てない。
そんな不安を抱えているご家庭は、決して少なくありません。
結論から言うと、夏休み後半にやるべきことは、実はとてもシンプルです。
1・2年生の復習、苦手科目の克服、志望校研究。この3つに絞ることです。
教室でよく見る、夏の過ごし方の分かれ道
新しい問題ばかりに手を伸ばしてしまう子
ある中学3年生の男の子は、夏休みに入ってすぐ、応用問題ばかりが載った難しい問題集を買ってもらいました。
本人は「受験勉強をしている」という実感があったようですが、実際には1年生の一次方程式でつまずいたまま、応用問題を解こうとしていました。
結果、時間をかけた割に正答率が上がらず、8月半ばには本人も「何をやっているのか分からない」と話していました。
1・2年生の内容から丁寧にやり直した子
一方、別の男の子は、夏休みの最初に自分の1・2年生のテストを引っ張り出して、間違えた問題だけをもう一度解き直すところから始めました。
地味な作業で、本人も最初は「これで受験に間に合うのか」と不安がっていました。
ですが、8月後半になると、応用問題を解く際にも「あ、これはあの単元の考え方だ」と気づけるようになり、正答率が目に見えて上がってきました。
基礎から積み直した子の方が、結果的に応用問題にも強くなります。
なぜ、この差が生まれるのか
入試問題の多くは、1・2年生で習った内容の組み合わせでできています。
土台となる知識が抜けたまま応用問題に取り組んでも、公式や解き方を覚えるだけの学習になりがちです。
覚えるだけの勉強は、少し形の違う問題が出た瞬間に対応できなくなります。
逆に、基礎からやり直した子は、「なぜその解き方をするのか」を理解しているため、初めて見る問題にも応用が効くようになります。
夏休みは、学校の授業が止まる唯一のタイミングで、この土台を作り直せる期間なのです。
家庭で今日からできる、3つの具体策
①「今日は何年生の内容をやったか」を聞いてみる
問題集の中身までチェックする必要はありません。
「今日は何年生の内容だった?」と聞くだけで、子ども自身も「今、自分は何をやっているのか」を意識するようになります。
②苦手科目は、単元を一つに絞る
「苦手を全部克服しよう」とすると、結局どれも中途半端になりがちです。
「今週は関数だけ」というように、範囲を絞ることで、子どもも取り組みやすくなります。
③志望校の話を、勉強と切り離して聞いてみる
「どんな高校生活を送りたい?」と、成績の話とは別に聞いてみてください。
部活動や学校の雰囲気など、偏差値以外の視点で志望校を考えることが、その後のモチベーションにもつながります。
受験の現場に立っていて感じること
夏休み後半になると、「もっと難しい問題をやらせた方がいいのでは」というご相談をよくいただきます。
ですが、伸び悩んでいる子ほど、必要なのは難しい問題ではなく、基礎の抜けを埋める作業であることがほとんどです。
地味に見える復習ほど、後から効いてきます。
まとめ
夏休み後半に意識したいのは、1・2年生の総復習、苦手科目の克服、志望校研究の3つです。
焦って難しい問題ばかりに取り組むより、基礎を固めることが秋以降の伸びにつながります。
受験勉強というと、たくさんの問題を解くイメージを持たれるかもしれません。
ですが本当に大切なのは、今の自分に必要な勉強を見極めることです。
