「ちゃんと問題を読みなさい」で直らない|問題文を読まない子への対処法

読めば分かる問題を、なぜか間違える

算数のプリントを見ていると、どう考えても問題文を読めば分かる問題を間違えている。

「これ、何て書いてある?」

と聞くと、お子さんがもう一度問題文を読みます。

「あ……」

そして、すぐに自分の間違いに気づく。

そんなことはありませんか。

そこで、つい、

「だから、ちゃんと問題を読みなさいって、いつも言ってるでしょ」

と言いたくなります。

ところが翌日。

また同じような間違いをする。

教室でも、こういう子は珍しくありません。

実は、「ちゃんと読みなさい」と言われても、お子さんには「どう読めばいいのか」が伝わっていないことがあります。

「ちゃんと読みなさい」で、なぜ直らないのか

お子さんは、ふざけているわけでも、わざと問題を読んでいないわけでもありません。

本人としては、ちゃんと読んでいるつもりなのです。

ただ、多くの場合、子どもにとっての「読んだ」は、

「文字に目を通した」

というところで終わっています。

一方、大人が言う「ちゃんと読む」には、いくつもの作業が含まれています。

最後まで読む。

何を聞かれているのか確認する。

条件を拾う。

大事な言葉を意識する。

答えるものを確認する。

大人は、これらをまとめて「ちゃんと読んで」と言っています。

でも、そこまで子どもには伝わっていません。

だから、

「ちゃんと読んで」

と何度言われても、

「読んだけど……」

となってしまうのです。

問題文を読まない子によくある4つのパターン

① 最後まで読まずに解き始める

問題の途中で、

「わかった」

と思ってしまい、そのまま解き始めます。

最後の一文まで読めば違うことを聞かれているのに、その前で答えを決めてしまう。

簡単そうな問題ほど起きやすいパターンです。

② 前の問題と同じだと思い込む

例えば、1問目が「前から何番目」を求める問題だった。

すると、2問目も同じような問題だと思って解き始める。

でも、よく読むと2問目では「後ろから何番目」を聞いている。

問題文より、

「さっきと同じ問題だろう」

という思い込みで解いています。

学校のテストでもよく起こります。

③ 数字やキーワードだけを拾っている

算数の文章題で特によくあります。

数字だけを見つけて、

「12と4だから、足せばいいかな」

と考えてしまう。

一方で、

「全部で」

「残りは」

「それぞれ」

「少ないほう」

といった、計算を決める大事な言葉を読み飛ばしています。

数字は見えている。

でも、問題の意味までは読めていない。

そんな状態です。

④ 何を答える問題なのか確認していない

計算そのものは合っている。

でも、答えが違う。

単位を書き忘れる。

聞かれているものとは別の数字を答える。

これもテストでよく見られるミスです。

計算まで終わったところで安心してしまい、

「結局、この問題は何を答えるんだった?」

という確認が抜けています。

読み直した瞬間に気づいた小学4年生

以前、計算そのものは合っているのに、聞かれているものとは違う数字を答えていた小学4年生がいました。

そこで、

「これ、何を聞いている問題?」

と一度だけ聞きました。

すると、その子は問題文を読み直して、

「あっ」

と言って、自分で答えを書き直しました。

こちらは答えを教えていません。

その子も、問題文が読めなかったわけではありません。

読んでいるつもりで、必要な情報を拾えていなかっただけでした。

こういう子に必要なのは、「もっと読解力をつけよう」という大きな話ではありません。

まずは、

問題のどこを見るのかを具体的に教えること

です。

「ちゃんと読んで」ではなく、こう聞いてみます

問題を間違えたとき、

「ちゃんと読んで」

と言う代わりに、読む作業を少し分けて聞いてみてください。

何を聞かれている?
大事な言葉はどれ?
条件はいくつある?
最後は何て聞かれている?
答えには何を書けばいい?

全部を毎回聞く必要はありません。

まずは、

「何を聞かれている問題?」

これだけでも構いません。

子ども自身が問題文を読み直して答えられれば、それで十分です。

親が答えを教えてしまうより、自分で気づく経験を増やしたほうが、次の問題につながります。

問題文に印をつけるだけでも読み飛ばしは減ります

問題文を読むのが苦手な子には、目で読むだけでなく、手も使わせる方法があります。

例えば、

聞かれているところに線を引く。

「全部で」「残り」「それぞれ」など、大事な言葉に印をつける。

単位に丸をつける。

これだけでも、読み飛ばしに気づきやすくなります。

ただし、気をつけたいことがあります。

何でもかんでも線を引かせないことです。

問題文が線だらけになったら、今度はどこが大事なのかわかりません。

「答えを出すために必要なところだけ」印をつける。

ここが大切です。

「見直しなさい」も、見る場所まで伝えます

「ちゃんと読んで」と同じように、

「見直しをしなさい」

も、子どもにとっては意外と難しい言葉です。

見直しと言われて、問題と答えをぼんやり眺めて終わる子もいます。

ですから、見る場所まで具体的にします。

「最後の一文だけ、もう一度読んでみて」

「単位は合っている?」

「聞かれているものに答えている?」

「数字を写し間違えていない?」

このくらい具体的なら、お子さんも何を確認すればいいのかわかります。

家庭では「1日1問」から読み方を練習する

毎回、親がすべての問題をチェックする必要はありません。

それでは親も疲れます。

子どもも嫌になります。

今週は、宿題やプリントの中から1日1問だけで構いません。

問題を解く前に、

「何を聞かれているところに線を引いてみて」

と声をかけてみてください。

そして解き終わったら、

「何を聞かれていた?」

と確認する。

これを少しずつ繰り返します。

目的は、線を引くことではありません。

問題を解く前に、「何を聞かれているか」を確認する習慣をつけることです。

問題文を読む習慣は、注意されて身につくものではありません。

「ちゃんと読んで」ではなく、「どう読めばいいか」を教えることで、少しずつ身についていきます。

文章題が苦手な場合も、計算練習を増やす前に、まず問題文のどこを読めているか確認してみてください。

【家スタ!】でも、答えより「間違え方」を見ています

問題文を読み飛ばしている子は、○か×かだけを見ていても、なかなか原因がわかりません。

計算を間違えたのか。

問題を読み違えたのか。

何を聞かれているのかわからなかったのか。

同じ×でも、原因は違います。

【家スタ!】でも、提出してもらったプリントを確認しながら、答えだけでなく、どこで間違えたのかを意識して家庭学習をサポートしています。

家庭での勉強を続けながら、学習の進み方や間違え方も見てほしいという方は、【家スタ!】のページもご覧ください。

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