「自由研究も読書感想文も、まだ手をつけていない…そんな焦り、ありませんか?」
夏休みも後半に差しかかると、保護者の方の間でよく聞かれる声があります。
「自由研究が進まない」「感想文にまったく手をつけていない」「気づけば残っているのは手間のかかる宿題ばかり…」――。
特に自由研究や読書感想文は、子どもだけでは手が止まりがち。
保護者の関わり方ひとつで、ぐんとスムーズになることもあります。今回は、自宅学習の視点から、自由研究や感想文を“無理なく終わらせるコツ”をご紹介します。
テーマ決めが成功のカギ!自由研究は“身近な気づき”から
小5のりく君は、夏休みが始まってからも自由研究のテーマが決まらず、ずるずる8月中旬に。母親が「毎日食べてるゼリー、凍らせるとどうなるか実験してみたら?」と提案すると、「やってみる!」と目を輝かせました。数日後には、「ゼラチンの種類によって凍る時間が違う」ことを発見し、しっかりした研究レポートが完成。テーマ決めに苦労していた子が、急にやる気を見せた瞬間でした。
自由研究のテーマは、「学校で学んだこと」から考えようとすると難しく感じてしまいます。
しかし実際は、日常の「なんで?」を見つけることからスタートすれば、もっと身近なものになるのです。
たとえば――
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好きな飲み物を比べて、氷の溶けるスピードを調べる
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雨の日と晴れの日でアリの行動を観察する
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ペットボトルで風力発電を試作してみる
こうした小さな発見は、自宅で十分できる自由研究になります。「すごい研究」じゃなくても、子ども自身が興味を持てることが何より大切です。
読書感想文は「会話」から始めよう
読書感想文に頭を抱えるのは、むしろ高学年や中学生に多い傾向があります。読む力はついているのに、感想を書けない。「あらすじを書いて終わってしまう」「感想が“おもしろかった”だけ」など、作文が苦手な子にとって感想文は苦行になりがちです。
そこでおすすめしたいのが、「いきなり書かせない」こと。
中1のさきさんは、本を読んでも感想が出てこず、原稿用紙を前に固まっていました。そこでお母さんが「登場人物の中で一番好きなのは誰?」「その子のどこが好きだった?」と会話をしてみると、「主人公の〇〇が友だちのためにがんばるところが好き」と話し始めました。
その言葉をきっかけに、書き出しの一文が自然と生まれ、感想文が完成したのです。
読書感想文は、書く前に“話す”ことで内容が整理されるということを、ぜひ思い出してください。
子どもが口にしたことをそのまま文に起こすことで、「それっぽく書く」よりもずっと自然な文章になります。
宿題の“最後の山”を乗り越えるには
自由研究や読書感想文は、宿題の“最後の山”になりやすい分、夏休み後半に家庭学習のリズムを立て直すチャンスでもあります。
よくあるご相談に、「計画は立てたけど守れなかった」「毎日バラバラにやっていて、進み具合が見えない」というものがあります。こうしたご家庭では、「今日はこれをやる」という明確な目標を1つだけに絞ることが効果的です。
たとえば――
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午前中に読書感想文の構成だけ考える
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自由研究は、写真だけ撮っておく
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図書室や近所の図書館を活用して情報を集める
1日で全部終わらせようとせず、数日かけて“分けて進める”ことで、子どもの心理的な負担も軽くなります。
また、学習塾やサポート教材に頼らない家庭学習では、どうしてもペース管理が難しくなりがちです。
そうしたときは、映像授業や課題管理が整っている外部ツールをうまく活用するのも1つの方法です(※詳しくは【家スタ!】などをご参照ください)。