塾に寄せられる相談のうち、とても多いのは
「家での勉強の仕方がわからない」
というものです。
何を勉強していいのかわかっている子はいいのですが、いざ自宅で勉強しようと思っても
「今日は何をしよう」
と考えるだけで時間が立つことも。
自宅では一体どのような勉強をしていけばいいのかについて述べていきたいと思います。
自宅学習で成績が上がらない理由とは
まず、自宅学習で成績が思うように上がらない理由についてお話しします。
これは、多くの保護者の皆さんが抱える共通の悩みです。
結論から言うと、成績が上がらない主な原因は、時間管理の難しさ、集中力の維持の難しさ、そして学習方法があっていないことです。
それぞれについて説明させていただきます。
時間管理の難しさ
自宅学習では、学校や塾のように決まった時間に従って勉強することが求められません。
そのため、時間の使い方が自由になる一方で、効率的に勉強時間を管理するのが難しくなります。
効果的なスケジュールを立てることができないと、だらだらと勉強時間を過ごしてしまい、結果として効率よく勉強できなかったりします。
たとえば、毎日の勉強時間を決めずに好きな時間に勉強していると、計画的に進めることができません。
また、やる内容もその日によって違ってきたりします。
そうなってくるといくら机に向かっても効率は相当落ちます。
自由な時間が多いからこそ、時間の管理をしっかりと行ってほしいと思います。
集中力の維持が難しい
自宅では、テレビやスマートフォン、家族の会話など多くの誘惑があり、集中するのが難しくなります。
これが勉強に集中できない原因となり、成績が思うように上がらない理由のひとつです。
そんな場合には集中力を高めていく工夫も必要です。
具体的には、ポモドーロテクニックのような短時間で集中し、適度な休憩を取る方法を取り入れることが効果的です。
ポモドーロ・テクニックについては以前も紹介しましたので、興味のある方はこちらをご覧ください。
これにより、集中力を高めることができ、学習効率を向上させることができます。
学習方法が自分にあっていない
今やネット社会です。
以前のように「参考書」と「問題集」だけで勉強をすすめなくても、教科によっては学習方法を変えることによって効果的な学習を進めることが可能になりました。
確かにノートと筆記用具があれば勉強はできますが、
単語や漢字を覚えるためにひたすら書きなぐるのは作業になっているだけの場合もありますし、
教科書をノートにまとめるのは、人によってはきれいなノート作りで終わっている場合もあります。
生徒一人ひとりに合った学習方法を見つけるのは難しいですが、自分に合った方法を見つけることで学習効率が大幅に向上します。
2. 一人ひとり自分にあった勉強法を見つけよう
自宅学習の成功の鍵は、お子様一人ひとりに合った勉強法を見つけることにあります。
学習方法は人それぞれで異なりますので、自分に最適な方法を見つけることが成績向上のポイントとなります。
自分に合った学習スタイルを見つける
人にはそれぞれ特性があります。
参考書などをじっくり読み込むことが得意な子、
映像授業のほうが理解できる子、
マインドマップでまとめたほうが覚えられる子など、
学習スタイルにはビジュアル(視覚)、オーディオ(聴覚)、キネスティック(体感)などのタイプがあります。
たとえば、ネットや書籍で
「こうしたら成績が上がった」
「東大生の勉強法」
「これだけで成績アップ」
といった情報が満ち溢れていますが、それはあくまでもそれを実践した人に適した勉強法であるだけで、必ずしもお子様に適した方法とはいえません。
自分にはどのような勉強法があっているのか、様々な方法に取り組んでみてほしいと思います。
試行錯誤を恐れない
最初から自分に合った学習方法を見つけるのは難しいかもしれませんが、さまざまな学習法を実践してみることで、最適な方法が見つかることがあります。
例えば、ノートに書いて覚える方法が合わない場合は、フラッシュカードを使ってみるなど、違ったアプローチを試してみてください。
その際、フィードバックを取り入れることで、自分の学習方法の改善点を見つけることができます。
言い換えれば、一番成績が上がった方法がその子に一番適した勉強法です。
自分ではなかなか分かりづらいところですので、保護者の皆さんも、お子様がどの方法で学んだときに最も効果的であるかを一緒に見つけてあげてほしいと思います。
効果的な学習ツールの利用
現代では、オンラインリソースや学習アプリが数多く提供されています。
例えば、英単語の暗記にはフラッシュカードアプリが便利ですし、数学の問題演習にはオンラインの問題集が役立ちます。
お子様が楽しみながら学べるツールを見つけることで、学習のモチベーションが向上します。
学習の進捗を記録する
勉強を続けていくと
「このやり方でいいのかな」
という不安にかられ、途中でやめてしまい、違う勉強法をついやってしまうというケースがあります。
まずはどのような結果が出るのか続けましょう。
そのためには「学習の記録」も大切です。
例えば、学習の成果をカレンダーやノートに記録することで、達成感を味わい、学習の習慣を身につけることができます。
保護者の皆さんにとっても、お子様の学習進捗を一緒に確認し、達成したことを褒めてあげる機会にもなります。
3. 自分にあった勉強法は将来役立つ
小中学生で「自分にあう勉強法」を見つける作業は、勉強をすること以上に大事な側面を持っています。
なぜならこうして試行錯誤しながら見つけた勉強法は、成績向上だけでなく、将来の成功にもつながっていくからです。
主体的に学ぶ力が身につく
自分に合った学習方法を見つけることで、お子様は自律的に学習する習慣を身につけることができます。
自分で学習計画を立て、目標を設定し、それを実行する力は、中学・高校・大学、さらには社会に出た後でも非常に重要です。
将来の仕事において、自己管理スキルの向上にもつながっていくからです。
例えば、毎日の学習スケジュールを自分で立て、それに従って学ぶことで、時間管理能力が養われます。
これは学校ではなかなか学ぶことができませんが、社会人にとってとても重要なスキルの一つです。
普段から実践してやることで、将来の仕事やプロジェクト管理にも役立つスキルが自然と身につくと言えるのではないでしょうか。
問題解決能力の向上
自分に合った勉強法を見つける過程で、試行錯誤を繰り返すことが求められます。
この過程で、さまざまな問題に直面し、問題を解決するための方法を考える力、すなわち問題解決能力が養われます。
論理的思考やクリティカルシンキングのスキルも身につきます。
このような経験は、将来の仕事や日常生活においても非常に役立ちます。
継続的な学びの習慣
一度、自分に合った勉強法を見つけると、それを繰り返し使うことで効果的に学ぶ習慣が身につきます。
長期的な目標を設定し、それに向かって継続的に努力する習慣は、どんな分野においても成功の鍵となります。
努力を続ければ、成功に近づくことができる、という経験が将来の仕事にも必ず役立ちます。
まとめ
学校以外の勉強というと、学習塾や家庭教師などが直ぐに頭に浮かんできますが、自宅学習は自宅学習の良さがあります。
また、自宅学習だからこそ得られるものもあります。
ぜひどのような勉強がお子様にとって一番いいのかということを、お子様と一緒に考えていってほしいと思います。