宿題を教えていると、どうしてこんなにイライラするのか
保護者の方から、こんな相談をいただきました。
宿題を教えていると、つい怒鳴ってしまいます。説明しているのに鉛筆をいじっていたり、勝手なやり方で間違えたりすると、イライラしてしまって……。
同じような思いをされている方は、少なくないと思います。
時間を使って、一生懸命教えている。
それなのに、聞いていないように見える。
さっき説明したばかりなのに、また同じ間違いをする。
「なんでちゃんと聞かないの?」
「さっき言ったよね?」
つい、声も大きくなります。
怒りたくて怒っているわけではない。
でも、気づいたら怒っている。
そしてあとになって、
「また言いすぎたな……」
と後悔する。
家庭学習では、こういうことがよくあります。
でも、ここで少し見方を変えてみてもいいかもしれません。
子どもは「聞いていない」のではなく、もう聞けなくなっていることがあります。
子どもは「聞いていない」のではなく、聞けなくなっていることがある
説明が長い。
内容が難しすぎる。
何度やっても分からない。
頭の中がいっぱいになっている。
そんなとき、子どもは鉛筆や消しゴムをいじったり、机の上のものを触ったり、ぼんやりしたりします。
親から見ると、
「人が説明しているのに、遊んでいる」
ように見えます。
でも実際には、もう頭に入らなくなっているのかもしれません。
「聞いていない」のではなく、「もう入らない」。
そう考えると、少し対応が変わります。
「ちゃんと聞いて」
と説明を続けるより、
一度止めた方がいいこともあります。
自己流のやり方にも、子どもなりの理由がある
算数の筆算などで、自分だけのルールを作ってしまう子がいます。
ちゃんと覚えていない。
理解があいまいなまま進んでいる。
分からないなりに、自分で何とかしようとしている。
理由はいろいろですが、本人の中では、
「こうやればいいはず」
という考えがあることが多いです。
算数の筆算で、同じ間違いを何度も繰り返す生徒がいました。
「そこ違うよ」
と直しても、また同じところで間違えます。
そこで、
「どうやって計算したの?」
と聞いてみました。
すると、本人なりのルールで計算していたことが分かりました。
これでは、何度「違う」と言っても同じ間違いをします。
理由が分かれば、直す場所も分かります。
最初から、
「それは違う」
と全部を否定するのではなく、
「どうやったの?」と説明させてみる。
間違いの原因を見つけるには、これが意外と近道です。
一度に全部教えようとしない
親が教えるときは、どうしても全部きちんと説明したくなります。
でも、子どもにとっては、それが多すぎることがあります。
筆算なら、
今日は「数字の位をそろえて書く」だけ。
次は「繰り上がり」だけ。
というように、直すところを一つに絞ります。
長く説明されている間に集中が切れてしまう生徒もいました。
説明を短くして、1問ずつ進めるようにすると、最後まで解けるようになりました。
短く説明する → 1問やらせる → 確認する
このくらいで十分です。
全部をその日に直そうとしなくて大丈夫です。
イライラしたら、その日は終わりにしていい
「また間違えた」
「ちゃんと聞いてない」
そう思い始めて、声が大きくなってきたら、一度そこで切り上げてもいいと思います。
怒りながら30分続けるより、
「今日はここまでにしよう」
と終わった方がいいことがあります。
宿題を全部終わらせることより、
勉強そのものを嫌いにさせないこと
の方が大切だからです。
親も子も疲れているときは、教えてもなかなか頭に入りません。
次の日にやったら、あっさりできることもあります。
その日のうちに全部終わらせることに、こだわりすぎなくても大丈夫です。
保護者の方にできる声かけ
「ちゃんと聞いて」
「なんで聞いてないの?」
「さっき教えたよね?」
と言いたくなったときは、少し言い方を変えてみてください。
「今の説明、どこまで分かった?」
「ここはどうやって考えたの?」
「今日はここだけ直そう」
この3つくらいで十分です。
特に、
「ここはどうやって考えたの?」
と聞くと、子どもがどこで勘違いしているのか見つけやすくなります。
一度に何個も間違いを指摘するのも、避けたいところです。
今日は一つ。
残りは次の日。
そのくらいで構いません。
今日からできることは、一つだけに絞ること
今日、宿題を一緒に見るなら、
「全部直そう」
ではなく、
「今日は一つだけ直そう」
と決めてみてください。
筆算なら、位をそろえることだけ。
文章題なら、問題文に線を引くことだけ。
漢字なら、間違えた一文字だけ。
一つできたら、その日は終了でもいいくらいです。
「今日、一つ分かった」
という終わり方の方が、
「今日も怒られた」
で終わるより、次の勉強につながります。
まとめ|教えるより、一緒に一つ直す
家庭学習で、保護者の方がすべてを教える必要はありません。
全部をその場で理解させなくても大丈夫です。
分からない理由を一緒に探して、
今日は一つだけ直す。
それで十分な日もあります。
教えるより、一緒に一つ直す。
「今日、一つ分かった」で終わりにして大丈夫です。
家スタ!でも、保護者の方に先生役になっていただくのではなく、家庭で無理なく勉強を進められる仕組みづくりを大切にしています。
親子で勉強する時間が、毎回つらい時間になっているなら、
まずは「全部教えなくていい」と考えるところから始めてみてください。
